「陽キャ」のロジックを、陰キャが解説
一番初めに、一番大事なことを書く。
勘違いして欲しくないのは、僕はこのエントリで「陰キャは陽キャになるべき」などと主張するつもりは一切ない、ということだ。
どちらが優れているというわけでもない。
ただ、「陰キャでも陽キャっぽいことをするためのハウツー」「陰キャだからこその陽キャとの付き合い方」を解説して、悩める陰キャの考えるタネになればいい。
そういう思いで書いてます。お納めください。
具体的な話は目次の下から始まるので、めんどくさい人はそこまでスクロールしてくれや
僕は陰キャだからこそ、『陽キャとは何だろうか』とよく考えた。
どうして彼らはあんなことができるんだろう、と。
一番最初にこういう気分になったのは、小学生のころだったように思う。
みんなで遊んでカードゲームで遊んでいる時、突然誰かがじゃんけんを始める。そして鬼ごっこがはじまる。終わりはいつかわからず、誰かがやめたくなるとみんなやめる。笑ってる。
「どうしていきなりじゃんけんが始まったんだろう」
「カードゲームの時間は終わりなのかな」
「なんでこの人がやめたくなるとみんなやめるんだろう」
「いつ帰れるんだろう、みんな疲れて帰りたくならないのかな」
「何に笑っているんだろう」
こういう疑問が湧いて出てきた、なんとなく嫌な気分になった。
小学生のころは「陰キャ」「陽キャ」なんて言葉は知らなかったけども、なんとなく「僕」と「彼ら」の間には超えられない壁があると感じていた。
また子供ながらに、これは一生超えられない壁なんだろうと考えていた。
僕もそうだが、自分を陰キャだと思う人は、心のどこかで陽キャになりたい願望があると思う。
でもなれないからこそ、自分にできないことをできる陽キャが嫌いなのだ。
ただ、陰キャが一番嫌いなのは、往々として自分自身ではないだろうか。
僕ら陰キャは、劣等感や敗北感などといった感情から解放されていることはまずない、と思う。
『陽キャになりたいけどなることはできない自分、負け組だな』
こういう負の気持ちは、少なくとも僕の中では、大学生になった今でも消えない。
大人数の飲み会のノリとか、旅行先での行動とか、ちょっとした他人とのコミュニケーションとか、輪の中心はいつも僕じゃない人たちで、とっても嫌になってしまう。
しかし、今日は暗い話だけではない。
陰キャ歴21年にして、「陽キャ」が無意識にやっていることを、言語化・論理化できたのだ。
今日はそれを皆さんにもシェアしたい。
このエントリは、
・陽キャを貫く「非効率」と「逆張り」のロジックを実例も交えて説解説する。
・陽キャと陰キャの『おもしろさ』の違い(暇な人のみ読んでくれ)
・陰キャにのみ許された『陰キャ非効率逆張り』という大技
を解説していく。
もし、「たまには、陽キャのやつら見返してやりてえなあ」と思っている陰キャなら、ぜひこのエントリを読んでほしい。
- 具体的な話は目次の下から始まるので、めんどくさい人はそこまでスクロールしてくれや
- 陽キャロジック①:非効率
- 陽キャロジック②:逆張り
- コラム①:陽キャは少年だ
- コラム②:陰キャはルールを重視する
- 応用編:陰キャ非効率逆張り技法
- おわりに:陰キャって生きづらいな
陽キャロジック①:非効率
具体的なことに入るまえに、簡単な陽キャ心理テストをしよう。
家から3km離れたコンビニに行くとして、あなたなら何を使って(どういう手段で)いく?
...
陽キャの正解は、「走る(もちろん本気のダッシュ)」だ。ここで「自転車」「自動車」などと答えた人は陰キャである可能性が高い。
陽キャってのは、非効率だ。あいつらはコスパという概念を多分知らない。
だって、朝まで飲んでそのまま次の飲み会に行く理由、何?酒は美味しくないだろうし、疲れてるから話せないし、身体にも悪い。コスパ最悪でしょ。
もっと単純な例で言えば、陽キャはすぐ渋谷に集まって騒ぐ。W杯でもハロウィンでも。
でも、冷静に考えてほしいが、あれはめちゃくちゃ非効率じゃないだろうか?
単純に寒いだろうし、ずっと立ってなきゃいけないから疲れる、家に帰る電車もめちゃめちゃ混む、臭い etc...
まるで非効率のギフトボックスだ。
そして僕はようやく、『陽キャは非効率な選択を無意識にしている』ということを発見した。
彼らの非効率への嗅覚は鋭く、さながら、条件反射的にブラックライトに群がる虫のように非効率へ一直線である。
まじで遺伝子レベルで陰キャとは違う目的を持っている気がする。
でも実は、この非効率ロジックを陰キャが実践するのは、とても簡単だ。
なぜなら、陰キャが直感的に『これはコスパ悪いな』と感じることをすればいいだけである。
陰キャというのはコスパをしっかり考える習性があるから、逆にいえば、陽キャよりコスパが悪い選択を導き出すことも可能だと思われる。
つまり、陰キャの方が陽キャっぽいことをできるのだ!
例)
・車使えばすぐ行けるコンビニまでダッシュする
・階段でグリコをやって登る
・めちゃめちゃ大きく手を振る
・絶対聞こえるのに声をでかくする
これだけでも、相手が陽キャなら盛り上がる。
ポイントは、本気でやることだ。とことん体力とエネルギーを無駄に使うんだ。コスパは悪ければ悪いほどいい。
本気じゃないと妙にコスパがいい動きになってしまい、結果として中途半端になって滑るので注意だ。(実体験)
陽キャロジック②:逆張り
陽キャを支配するもう一つのロジックは、逆張り(ぎゃくばり)だ。
端的にいうと、「『今ここで絶対それはやめたほうがいい』というときこそ、最もそれをやるべき時」というロジックである。
この『今はやめろ』が『やれ』のフリになっているというのは、みなさんでもみたことがあるはずだ。
そう、『ダチョウ倶楽部の押すな押すなのアレ』だ。
しかるに、ダチョウ倶楽部は陽キャである。(正確には押されている上島竜兵のみだが。)
陽キャはこの逆張りをよくやる。
具体例をあげよう。
この前、僕が旅行で海に行った時、みんなで桟橋から飛び込むかどうか、みたいな話になった。この時の状況はこんな感じだ。
・桟橋と言っても2mくらいしかなく、絵的に微妙
・干潮なので、飛び込む先の水がひざ下程度の高さしかない。から絶対痛い。
・そもそもめっちゃ寒くて海に浸かったらほんま冷える。
・なお着替えはなく、濡れたらびしゃびしゃで車に乗らなければいけない。 (沖縄では上半身の服を脱がずに海に入るのがマナー)
と、どんなポンコツAIですら、飛び込まないほうがいいとサジェストするであろう状況が揃っていた。
理性ある人間なら絶対に飛び込むという選択はしないと思う。
だが、陽キャは、飛んだ。
「だが」ではなく「だからこそ」が適切か。
念入りに飛び込みの角度や場所を考えるという、「非効率ロジック」の合わせ技を使って。浅いところに全力でとびこんで、普通に足首をひねっていた。
で、僕は、めちゃくちゃ笑った。
なんでこいつ飛んだんだという疑問も頭に浮かんだが、まじで謎すぎて脳がバグって笑いが止まらなかった。
このロジックの実践のコツは、「〜だから〜しない」と感じること、全てを「〜だからこそ〜するに」置き換えることだ。
「これは絶対無理だ」は、フリだと思え。
例)
・昨日は飲み会で二日酔いだ。だからこそ、今日は2件の飲み会に行く。
・昨日家系ラーメンを食って満足した。だからこそ、今日は朝から家系に行く。
・昨日1万円スマホに課金したし今月はもう厳しい。だからこそ、今日は5万課金する。
こういう感じだ。割と思いつくのは簡単なので、実践するのみである。
なおこの逆張りロジックは、極端なことまでやりすぎると「死」や「犯罪」に直結してしまうというリスクがある。
長年このロジックについて考察を重ねてきた僕でさえ、どこまでがセーフか見極めきれない状態なので、陰キャの諸君は十分に注意されたし。
僕のみたところによれば、世界的DJのaviciiも逆張りのしすぎに身体が耐えきれず亡くなったと思われる。
彼はホンモノの陽キャだったよ。
例)
・日本は左側走行だ。だからこそ、めちゃめちゃスピード出して右側走行しよう。
・今無人島で3日飯を食べていない。だからこそ、このまま飯だけでなく水を飲むのもやめよう。
・Feeling my way through the darkness, だからこそ Guided by a beating heart.
あと、「逆張りロジック」は、しばしば「非効率ロジック」とセットで使われていることが多い。
割と簡単にそうなるので、少し慣れてきたら、すぐにできるようになるだろう。
例)
・明日から旅行だから準備して早く寝たほうがいい。だからこそ、今日はオールで友達とゲームする(逆張り非効率)
コラム①:陽キャは少年だ
陽キャは、少年だ。彼らは少年的な笑いをとる。
小学生の頃とかを思い出してほしいのだが、少年は明確なルールを持たないことが多い。
決まり切った儀礼や笑いの基準がないから、とにかくいろいろな事が突然始まり突然終わる。どうして笑ってるのかもわからないけど、とりあえず面白い、みたいな感覚があったはずだ。
陽キャも同じで、彼らの飲み会には本当にルールや秩序がない。Chaosであり、それはもうなんでもありの無法地帯だ。
乾杯で一気飲みする。コールで飲んでると思ったら、コールを無視して一気飲みするやつがあらわれる。こっちではゲロゲロ吐いたと思ったら、向こうでは別のやつが頭から酒を被っている。
陰キャからすれば「なんで?」の嵐だが、彼らはそういうことではない。
ルールがなく物差しも曖昧なコミュニティだから、仕方ないのだ。
そして何より、陽キャはそういう曖昧さを楽しんでいる節がある。
陽キャはルールで決まったことより、不可分であることに楽しみを見出すタイプなのだ。
コラム②:陰キャはルールを重視する
一方で陰キャは、『暗黙のルールがある面白さ』を好む傾向にある。
ちょっと相手に考えさせたり、決まりきった型の応用をしたり、と言ったところだ。
例えばツイッター。
「FF外から〜」など多くのコピペと言われるものが流行り、中身を自分でアレンジしているのが流行っていると思う。
このツイッターの笑いには、「型を改変すればいい」という明確なルールが存在する。
ルールにのっとるところから、笑いが始まるのだ。そして何より、ルールは暗黙の了解となっている。
「これは野獣先輩のことですよね?」「なんでみなさん同じような文章書いているんですか?」などとマジレスしようもんなら、一気に面白さが半減するのだ。
これが陽キャだったら、こんなルールにガチガチの笑いにははすぐあきて、別の話題にいくのだろう。
暗黙のルールを意識するのもだるそうである。
けど、陰キャはちがう。
ルールの中で頭をふり絞って、このコピペ面白くするにはどうしたらいいかと考える。こういう頭を使った、暗黙のルールのある笑い、これが陰キャの「おもしろさ」だ。
俺はそっちの方が好きだよ。
応用編:陰キャ非効率逆張り技法
ここまで読んだかたは、陽キャについてある程度は理解が深まっていると思う。
上記のロジックを意識するだけでも陽キャになじみやすくなると思われるので、それでも十分だ。
ここからは応用編であり、無理にやることはない。
しかしながら、僕がゴールを目指すのはこの『陰キャ非効率逆張り』である。ゆえに、僕も今だに研究中の分野なのだ。
僕と同じ志をもつという人がいれば、ぜひこの先を読んで、一緒に正解を見つけていってほしい。
「陰キャ非効率逆張利」の本質は、「陰キャが陽キャを演じる」ことだ。
その結果として、「『あいつ陰キャなのにめちゃくちゃ陽キャみたいなことしてるな』ということそれ自体を、ある種の逆張り非効率の笑いとして完成させる」というものだ。
逆張りロジック的に言えば、「陰キャだからコスパを求めるし、逆張りとかしない→陰キャだからこそコスパを求めないし、逆張りしまくる」となる。
「陰キャが教室でいきなりずっこける」という状況を想像してほしい。最初はみんな戸惑いドン引きするだろうが、ずっと続けていたら、絶対笑いに変わる。
陰キャと陽キャのミスマッチは、時にめちゃめちゃ爆発力を持つと思う。
ただお分かりのように、めちゃくちゃ難しいし恥ずかしい。
僕も頑張ってやってみてはいるが、本当に失敗ばかりである。主たる問題点は
・100%で陽キャを演じられないが故、中途半端になり、「なんだこいつやっぱキモいな」で終わる。滑る。
・はじめの数回は陽キャの脳みそが本能的に陰キャを拒否するので、素直にギャグをみてくれない。
・ギャグ後のフォローが難しい。笑いが起きたあとどするか。まあ同じことを繰り返すのが陽キャなので、それをやればいいのだが、加減が難しい。
・シンプルに体力がない。
正直問題山積みだ。
こんなこと考えないほうがいいのかもしれない。ただ、この陰キャ逆張り非効率技法の、唯一無二にして最強のメリットがある。
それは、『陽キャには絶対できない』ということだ。当たり前だけど。
この不可能な逆張り非効率をやるチャンスは、ざんねんだが陽キャにはない。
しかし陰キャには可能性が残されている。
可能性くらいは陰キャの味方だという事実、僕にとってはそれだけでも救いである。
志高い陰キャの同士の諸君、僕がいつか陽キャに殺されるとしても、どうかこの意志を継いで欲しい。
こたけ死せども陰キャは死せじ。
「間違いを犯した事の無い人というのは、何も新しいことをしていない人のことだ。」
ーーアインシュタイン
おわりに:陰キャって生きづらいな
陽キャからしたら、こんなことごちゃごちゃ考えるなんてつまらん人生だな、と思うんだろうな。
でも仕方ない。
こうするしかなくて、僕はそれを必死にやってきただけだから。まあなるようになるさ。
僕は陰キャでいたいし陰キャを否定したくない。
けど時と場合に応じて、陽キャになれる(っぽいことができる)陰キャでいたい。陽キャコミュニティを否定せず、かつ自分の中の陰キャは捨てず。
僕みたいな陰キャはだいたいの場面で陽キャ負ける。ただ、「あいつ、陰キャなのに」 と陽キャ思わせられた瞬間、勝ちだ。と思う。
辛いと思うけど、できれば食らいついて行きたいね。
一発逆転の快感を味わえるのは、陰キャだけだから。
陽キャの脇腹に風穴ぶちける陰キャでありたい。
僕も必死に食らいつくよ。頑張っていこう。