漫画:鋼の錬金術師の面白さについて語らせて欲しい①【ネタバレあり】
小説というのは、虚構の物語であると同時に、世の中の有り様やそこに生きる人々の姿を鮮やかに浮かび上がらせるという意味で、現実を色濃く反映した物語でもある。
Lemon Guy こと米津さんも同じようなことを言っている。
ファンタジーなども好きだが、ファンタジーの世界で巻き起こっているのは、この世界を反映したものになっている。
それと同じで、自分が作る曲も、自分が経験していないことも書くが、掘り下げていけば自分の体験であって、自分の体験をそうやってまた別の言葉に変換して表現することによって、より普遍的になる感じがすごくある。
お分かりだろうか。ファンタジーは空虚ではない。現実における思想や信念の、異なる形での表現だ。わし=米津玄師である。このブログも実質的にはLemon。
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そしてこの事実は漫画にも当てはまる。僕が思うに良い漫画、ないし小説の条件の1つは、この現実と虚構の塩梅が絶妙であることだ。そして僕は1つだけこの条件にドンピシャ当てはまる漫画を知っている。
それが ToLOVEるだ。
To LOVEる-とらぶる- ダークネス コミック 全18巻完結セット
- 作者: 矢吹健太朗
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/03/04
- メディア: コミック
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嘘です。本当は鋼の錬金術師です。
正直ToLOVEるにはお世話になったけど、今日はハガレンこと鋼の錬金術師の話します。
鋼の錬金術師という漫画、ご存知だろうか。
月間少年ガンガンにて連載していた少年漫画。単行本27巻で完結しているので、暇な1日で読み切ることも可能な量。もし興味がわいたらぜひぜひお近くのブックオフへ。読んで後悔はさせないです。
ちなみに実写映画もされているが、こんなもの見るならNHKの教育でも見てたほうが良いくらいにはゴミ映画だから見なくていいです。ks。
まず鋼の錬金術師の何が一番すごいか。それは最初に言ったように、物語における現実と虚構のバランスが天才的にうまいこと。鋼の錬金術師は、現実と虚構の2軸にそって物語が進むようにできている。そしてどちらの軸もバリ丁寧。
1つは産業革命期以降の当時のヨーロッパ国際政情を描いたリアリズムの軸。これが現実を反映する部分。
もう1つは錬金術を中心とした古代から続く生死や神について描くオカルティズムの軸。これが虚構を反映する部分。
この2軸を中心に、様々な場面が描かれてストーリーは進む。ときにそれは国家の意図が絡み合う戦争の話であり、ときにそれは錬金術で母を生み出す禁忌の話である。時にそれは軍事国家における若手将校のクーデターの話であり、時にそれは世界創生の神の話である。
よりすごいことに、この2軸は1つの結末で最後に綺麗に交わるんです!!まさに伏線回収、THE最終回という終わり方。心が震えるとはまさにこのこと。
異なる空間・時間を経た物語が1点に収束するカタルシス、これが鋼の錬金術の真骨頂。さながらクリストファーノーランの映画ようである。
この時点でもうかっちょよすぎないですか?ぜひ買ってくれ。
愛が深すぎて前振りだけで1300文字になってしまった。この先具体的に説明する予定でしたが、次回の記事に回します。
頑張って愛を説くから次回も見てくれよな。以上こたけ。